CROSS TALK

MDはブランドの心臓。
冷静と愛情を両手に、
決断を重ねる。

それぞれ異なるブランドでMD(マーチャンダイザー)を務める伊藤さんと今井さん。仕事の苦労や魅力、果たすべき使命について、お互いの想いを語りました。

PROFILE

Haruka Ito

事業本部 婦人服ビジネス部
エヴェックス バイ クリツィア
企画課
2016年入社
観光学部交流文化学科 卒

Masayasu Imai

エポカ・キャストビジネス部
キャストコロン企画課
2018年入社
経営学部 会計ファイナンス学科 卒

「ブランドで一番冷静であること」。
それが、MDに求められる姿勢。

まずはMDとしての具体的な仕事内容について教えてください。

伊藤企画チームのなかで、私たちMDの仕事は「いつ・何を・どうやって・どのくらい売るか」という企画の土台部分を組み立てることです。シーズンコンセプトや、私たちが考えた枠組みをデザイナーが商品に落とし込み、パタンナーがそれを形にし、実際にサンプルを作り、それに対してみんなで意見を出しながらブラッシュアップしていきます。商品が多くのお客様に届くよう、販売スタッフに商品の役割や意義、こだわりをしっかり伝えるところまでが私たちの仕事です。

今井伊藤さんは「エヴェックス バイ クリツィア」のMDを担当されていて、私とは別のブランドチームですが、仕事内容は概ね同じですよね。生産数量を決定して生地を発注したり、販売実績などの数値分析などでしょうか。

伊藤あとは、商品の販促活動についても「この商品はこんな風に打ち出したい」といった意見を出したり、次期シーズンのサンプルを販売スタッフに見てもらって意見を取りまとめたりと、本当に仕事の幅が広いですよね。社内のメンバーの他に、取引先である生地屋や縫製を依頼する工場の担当者など、社内外問わず多くの人たちと関わります。それぞれの想いや意見、あらゆる状況をすべて汲み取ったうえで、客観的な視点からブランドにとってベストな選択をするのがMDの仕事です。

今井私はまだ修行中ですが、指導を受けている部長からは「ブランドで一番冷静な人間であれ」と言われています。あとは、販売スタッフの意見を誠実に受け止めることも大切にしなければと思っています。お客様と直に接しているスタッフたちの意見は重要ですから。でも、それだけに偏ってもいけないので「ブランドとして」の判断をするのは本当に難しいです。

三陽商会は「ものづくりへの情熱」を持った会社ですが、そのような会社でMDを務めているお二人はどんなことを感じていますか?

伊藤業務の幅が広いので、最初は苦労することもありますが、携われる領域が広いのでやりがいを持って働いています。私はMDになってもうすぐ5年目になるんだけど、今井くんは?

今井はい、やっと一年目です。私は「キャストコロン」というウィメンズブランドのMDを務めているのですが、専属のMDは私一人だけなので、チームのメンバーにフォローしてもらいながら奮闘しています。ブランドの企画チームにはMDのほかに生産管理やデザイナー、パタンナー、ディレクターなどさまざまな職種のメンバーがいて、連携しながらブランドを運営しています。

ブランドの心臓という大役。
だからこそ、感じる喜びも大きい。

どんな時にMDの仕事のやりがいや魅力を感じますか?

伊藤MDはブランド全体を動かす心臓のような存在。いろいろな人と関わりながらブランドを動かす道のりには新しい気づきや学びがたくさんあり、それによってまたブランドが一歩前へ進む瞬間に、この仕事をしていてよかったと思います。

今井私は誰かにプレゼントを贈る時のような気持ちで仕事に取り組んでいます。相手の性格やライフスタイル、今の気分を知るために情報を集めて、どんなものを送るべきかを考える。それから、相手に喜んでもらえる渡し方まで考えて…。そうやって作った商品がお客様に喜んでいただけると、この仕事だからこそのやりがいを感じます。

伊藤お客様の反応は率直に数字に表れるから、おもしろいよね。ブランドのコンセプトやお客様の傾向を常に意識しながらも、固定概念を持ちすぎないことも仕事を楽しむ秘訣だと思います。「こういうファッションはうちのブランドでは無理」と決めつけずにうまく取り入れる方法を考えてみると、新しい発見があったり。

今井なるほど!参考になります。私がMDとして企画に関わったのは2023年春夏シーズンからなのですが、自分の意見をどうやって伝えるべきか悩みました。経験豊富なメンバーたちに対して意見を言うのは少し気が引けますが、相談するスタンスで臨んでいます。

伊藤意見を伝える相手の方が知識も経験も豊富な場合もあるけど、MDとは見ている視点が違うことも多いからね。MDの立場だから気づくことも必ずあるし、立場が違う人同士で議論することはすごく大事。それがお客様の満足につながると思います。

たくさんの職種と関わるからこそ、丁寧なコミュニケーションが求められるわけですね。 そのほか、お二人が感じているMDのミッションについて教えてください。

伊藤ブランドが末永く愛されるように舵を取ることが私たちの最大の使命です。これはMDに限らずチーム全員が目指すことですが、ファッションを通じてお客様の日常にワクワクを届けることと並行して、利益を創出し続けるということも同じく大切です。

今井ワクワクだけではダメで、きちんと利益を生まなければブランドは存続できませんからね。私はMDの使命として、まずは自分がブランドの一番のファンになることだと思っています。そうすれば、お客様が求めるものが見えてくる。その気持ちを理解したうえでブランドの成長も加味した判断をしていくわけですが、まずはブランドへの愛がなければその判断を間違えてしまうと思うんです。

伊藤うん、ブランドへの愛は必須だよね。だけど、盲目になってはいけない(笑)。愛があるからこそブランドの未来を考えた冷静な判断が必要になると考えます。

今井私はウィメンズブランドを担当しているので自分で着ることはできませんが、商品を紹介した時に家族や大切な人が喜んでくれる様子を見ていると愛がどんどん育っていきます(笑)。関わる人たちの思いが詰め込まれてできているブランドだとよく知っているので、大切に育てたいという気持ちになります。

想像力と創造力が必須スキル。
周囲に支えられMDとして成長を目指す。

MDの仕事において大切なスキルとはどんなものでしょうか?

伊藤MDの仕事は簡単ではありませんが、まずはファッションが人にもたらす「豊かさ」を知っていることが大切です。あとは、お客様を理解しようとする姿勢や想像力も。

今井何事も想像力から始まりますもんね。それと同時に、創造力も大切だと思います。お客様の生活や気分を想像して企画に活かし、チームを巻き込んでブランドならではの商品を創造していく。

伊藤その過程ではやらなければいけない仕事が山のようにあるので、根気強さは大切。慣れるまでに数年はかかるかもしれないけれど、そこを乗り越えていくガッツが大事!限られた時間のなかで物事を判断していく決断力だったり、お客様が見ている世界を自分も体験しようとする好奇心だったり。私はアッパーミドル向けの婦人ブランドを担当しているから、そういった方が対象となるイベントに注目したり、街を歩く時にも周囲をリサーチしたり。日々の中でマーケット情報を吸収することは大事かもしれません。

今井すごく参考になります。あらためてMDの仕事の奥深さを実感しましたが、伊藤さんのようにガッツで乗り越えていきたいです!

最後に、お二人の今後の目標を教えてください。

伊藤今度はほかのブランドのMDも経験してみたいです。学んできたことを新しい環境でも発揮してみたいし、自分にとってもブランドにとってもステップアップにつなげられたら嬉しいです。

今井私はまず目の前の仕事をこなせるようになって、ゆくゆくはMDとしてブランドをリードする存在になりたいです。何度も失敗するとは思いますが、チームや伊藤さんたち先輩の力を頼りにしながら努力していきたいです!